共有

第25話  

千葉偉が最初に立候補した後、他の男子生徒たちも次々と手を挙げ、涼宮映雪との共演を希望した。

 しかし、最終的に担任の先生は、千葉偉を選んだ。仕方がなく、彼はクラス委員長であり、先生にとっては一目置く存在だったのだ。

 「映雪、千葉、あと数日しかないけど、しっかり練習するように。順位は気にしなくていいから、恥をかかない程度には仕上げておいて」

 そう言うと、担任の先生は教室を出て行った。

 先生が出て行った直後、教室の入口に人影が現れた。

 「すみません、森岡翔さんはいらっしゃいますか?」

 声が聞こえると、クラス全員が入り口の方を見た。

 「うそ…三大美女の一人、秋元詩韻じゃないか!」

 「秋元詩韻、今、誰を探してた?」

 「森岡?」

 「まさか!」

 「秋元さん、誰を探してるんですか?」一人の生徒が尋ねた。

 「森岡翔さんを探しています」秋元詩韻は答えた。

 「マジかよ!本当に森岡を探してるのか!」

 全員が信じられないという目で、森岡翔を見た。

 森岡翔は、数十人の視線に晒された。

 仕方なく、彼は席を立ち、教室を出て行った。

 入り口まで来ると、秋元詩韻に向かって「行こうか」と言った。

 そして、彼は先に歩き出した。

 秋元詩韻は、おとなしく森岡翔の後をついて行った。

 森岡翔と秋元詩韻がいなくなると、教室は大騒ぎになった。

 「マジかよ!わずか3日で、森岡は学校の三大美女の一人、秋元詩韻をモノにしたのか!」

 「見てなかったのか?秋元女神、森岡の後ろを大人しくついて行ってたぞ。完全に森岡にベタ惚れって感じだった」

 「おい…ちょっとつねってくれ。夢じゃないよな?」

 「痛っ!痛って!やばっ、やばっ、夢じゃなかった!」

 「ちょっと待って!森岡の元カノって、誰だっけ?」一人の生徒が尋ねた。

 「確か、相川沙織!」

 「相川沙織って、高坂俊朗に奪われたんだっけ?」

 「で、高坂俊朗は、秋元詩韻の二大パトロンの一人」

 「森岡、すげえな!完璧なやり返しだ!」

 「俺の女を奪ったら、お前の女神を奪ってやる!」

 「この反撃…まさに怒涛の勢いだ。今度は、高坂が血を吐く番だな!」

 ヒモ四天王の残り3人は、顔を見合わせて、同時に言った。「森岡、すげえぞ!」

 涼宮映雪もまた、興味津々の視線を向けていた。

ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status